桐島、部活やめるってよ。

桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)

桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)

夏休みに原作を読んで、映画も見に行きました。

たしか2年前くらいに、
いしわたり淳治がブログで紹介してるのを見て、面白そうだなと思い、
この作品に興味は持っていたんですが、
単行本を買うのが億劫で、なかなか手を出せずにいました。
今回、映画化に伴い、文庫化もされたので、ようやく読んだという感じです。

もっと早くから読んでれば良かったとも思うし、
高校を卒業した今になって読めて良かったとも思います。
自分が高校生だったときに読んでいたら、ちょっと胸に刺さり過ぎて、苦しかったのかなって。

映画部の前田くんみたいな高校時代を過ごしたわけではないけれど、
だからと言って菊池くんや竜汰のような華やかな高校生には決してなれなかった。

たぶん、僕は圧倒的に前田くん寄りの高校時代を過ごしてきたので、
だからこそ、この作品は刺さった。えぐられた。

人によっては陰鬱な思い出を引き出すような作品ではあったけれど、
込められているメッセージは、とてもポジティブなもので。

Base Ball Bearの小出氏がTwitterで色々と感想をあげていたけれど、
(映画館に4回、見に行ったらしい、笑)
「ほんとに辛い。夢に出そう。でも、最高。」って、本当にそう。
死にそうになりながら、でも、最高だった。

自分にとって何か夢中になれるものは、武器、ではないけれど、そういった何かになり得る気がする。
好きなものに関して、費やしている時間は、無敵でいられる気がする。
それが自分らしさとかアイデンティティになるとかではなく、誰も手が出せない自分だけの世界のような。

原作を読んでいるのなら、映画も見て欲しいし、映画を見たのなら、原作も読んで欲しい。
作中に登場する人物、誰かに自己投影してしまったなら、きっと何か感じ取れると思います。