観覧車から見えた遠い冬

変な夢を見る。
変だけど、とてもおもしろい夢。
懐かしい人たちが出てくる夢。
全く整合性のない物語が続いても別にそれを不思議だとは感じない。

突然、目が覚めて、そこで夢は終わってしまう。
もっと見ていたかったなぁと思っても、きっともう二度と見れない。
そんな気がする。

大好きな映画が終わってしまうときのような。
いや、映画に限る話ではないのだけれど。

僕たちの中で、作品は終わってしまうけど、
作中に登場した人たちは、作品の世界の中で、ずっと生き続けていく。
作品が終わってしまった今、
僕らは決して、その世界の様子を知り得ることはない。
僕らには僕らの世界があって、彼らには彼らの世界があるから。

夢もきっと同じように。
自分の脳内で生じた現象なのに、夢の世界は現実の世界と決して交わることがない。
だから、目が覚めた今、夢の続きを見る術はないんだろう。

それでも見たかったなぁ。あの夢の続き。