読書感想文その1

最近読んだ小説の感想を、簡単にまとめておこうかと。
あ、今、気づいたけど3冊とも短編集ですね。
どうりで読みやすいと思ったら。

檸檬のころ

檸檬のころ

高校2年生の冬に読んで、「ルパンとレモン」のあまりの切なさに胸が痛くなった一冊。先日、ふと思い出して、また読みたくなって買ってしまいました。やっぱり「ルパンとレモン」で胸が痛くなって、「ラブソング」で『音楽があれば何もいらない』なんて言って昼休みに誰とも話さずに好きなバンドのCDを廊下で聞く白田さんが大好きで、「雪の降る町、春に散る花」での別れの描写は何度読んでも綺麗だった。個人的には藤山くん視点での話も読んでみたかったなぁと。


儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)

儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)

米澤作品は「小市民シリーズ」しか読んだことがなく、他の作品はどんな感じだろうと思い、読んでみました。タイトルや表紙からして、そんな感じですが、ブラックな短編が5つ詰まった一冊になっています。解説では「玉野五十鈴の誉れ」が本書の最高傑作とされていたけど、個人的には「身内に不幸がありまして」がベスト。最後の一文が実に巧妙だった。できるだけ素直な気持ちで読んでもらったほうが楽しめる一冊だと思います。


雪屋のロッスさん (新潮文庫)

雪屋のロッスさん (新潮文庫)

31の短編集。読んだら、きっと優しい気持ちになれると思う。楽しい話も悲しい話もたくさんに詰まってます。どの話も独特の魅力を持っているので、ゆっくりゆっくりと味わいながら読んでもらいたい一冊。僕が特に好きだった話は「なぞタクシーのヤリ・ヘムレン」「ボクシング選手のフェリペ・マグヌス」「玩具作りのノルデ爺さん」などなど。あと、あとがきにかえての「編集者の関口君」も好きだった。劇的じゃなくても、何気ない物語が、何気ない言葉が、心の琴線に触れることってありますね。


たぶん読書感想文その2もあると思います。
次は春休みに購入して上巻の途中で挫折してしまった「ドグラ・マグラ」なのか。それとも、大学生になったら読もうと心に決めていた太宰治作品なのか。それとも、小学生の頃、気にはなっていたが、結局読まずじまいになってしまっていたムーミン谷シリーズなのか。

どれにもならないかもしれませんが(笑)
たぶん書くと思います。